股関節をやわらかくする「腰割り」

腰割りとは?

股割りは聞いたことがあっても、腰割りはあまりなじみがありませんよね。

腰割りは股割り同様、相撲などの基礎的な運動のひとつで、体の柔軟性やバランス感覚を高める効果があります。動きは一見するとスクワットに似ています。(後述)

相撲をしない一般人にとっても、普段あまり意識をしない股関節の柔軟性を高めると、良い姿勢をとりやすくなったり、歩行の時に足が出しやすくなります。

股関節を開く

股関節が柔らかいと上の画像のような姿勢もできます。犬ですけど。

特に座っている時間が長く、運動不足になりがちの方は股関節の動きが少なくなるので腰割りが効果的です。

股関節周囲を刺激して、循環をよくすると足のむくみや便秘などにも効果が期待できます。

スクワットと腰割りの違い

以前、スクワットについて書きました。膝を曲げたり、腰を落としたりする点では腰割りとスクワットは似ていますが、どう違うかについて書いていきます。

スクワットは主に、太もも前面などの筋肉を強化します。それに対して、腰割りは股関節の柔軟性を高め、股関節の適切な使い方を身につけたり、バランス感覚を養うという目的があります。

股関節

股関節の場所はいわゆる「コマネチ」の時の鼡径部(太ももの付け根)の中央くらいになります。上の図の大腿骨頭のところです。

スクワットの動作は、筋肉に負荷をかけますが、腰割りはそれほど筋肉に負荷をかける必要はありません。股関節の動きを滑らかにしたり、重心をうまく使うための訓練だからです。

腰割りのやり方

  1. 両足を肩幅よりやや広めに開いて立ちます。(まずは適当な足幅で)
  2. このときつま先を外側に向けます。(これもまずは適当に開きます。)
  3. 上半身を地面に垂直に保ったまま腰を落としていきます。
  4. 膝から下が地面に対して垂直になるところまで腰を落としたら止めます。
  5. 膝を伸ばして1の姿勢に戻ります。

動きはこれだけで、非常にシンプルです。

1の足の幅で楽にできるようであれば、もう少し足の幅を広げてみましょう。足を広げるほど、深く腰を落とすことになります。

注意点

  • 腰を落としていくとき、上半身が前傾したり、後ろに反ったりしてはいけません。上半身は常に垂直に保ちます。
  • 膝とつま先の向きは常にそろえます。
  • 膝から下は地面から垂直になったら腰を落とすのは止めます。
  • 回数は10回程度からはじめてみましょう。1分もあればできます。
  • 手の位置は、股関節あたりに置いて股関節の位置や動きに意識を向けます。
腰割りの参考画像

上の画像は腰割りをしているわけではありませんが、腰割りで腰を落とした姿勢に似ています。(この画像ほど足を開かなくても構いませんよ。私も無理。)

このように「股関節を外側に開く」「膝とつま先の向きをそろえる」「膝から下が地面と垂直」「上半身も地面と垂直」になると良いです。

腰割りは、腰を深く落とせばいいというものではありません。上の画像ほど足幅を広げなければ、ずっと楽にできます。こんなのでいいの?というほどです。

頭の重さが、背骨を通じて真下に落ちていき、股関節を通じて左右の足の裏に均等にかかっている感覚を感じましょう。

足の幅や足の開きは、そのときの状態に応じて余裕があれば開いて、余裕がなければ狭めて、微調整しましょう。

まとめ

腰割りで股関節がやわらかくなると、生活のいろいろな場面で動作が楽になります。

特に、しゃがむときに腰にかかる負担を分散することができるので、靴下をはくとき、草取りをするとき、重い荷物を持ち上げるときなどに腰を痛めるリスクが少なくなります。

筋肉をきたえなくても、体の適切な使い方でケガや疲労の予防になります。まずは腰割りをお試しあれ。興味があるかたは、来院時にお問合せ下さい。ご説明します。

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