湿布の効果と正しい使い方とは

その湿布は本当に必要ですか?

みなさんは、湿布(シップ)を使うことってありますか?そして、湿布を貼って効果を感じていますか?私自身は、湿布の効果を感じたことがないのでまったく使うことはありません。あえて「湿布は必要ない」と言ってしまいましょう。

シャツをめくると背中一面にシップが貼ってあるというような方を、この仕事を始めてから数えきれないほど見てきました。そういう方はたいてい「毎日6か所も貼ってるよ」なんておっしゃります。

そういうお話を聞くたびに「毎日こんなに貼っていても改善しないなんて、シップなんて効果ないんじゃないの?」と思うようになりました。もう20年位前のことです。

そのころ、いろいろと調べてわかったことをここでお伝えしたいと思います。私の復習もかねて。

湿布(シップ)が有効な時

そもそも、シップ=消炎鎮痛剤はその名の通り炎症を抑えて痛みを鎮めるものです。読んだままですが。では、炎症とは何ぞや。炎症は、「発赤、疼痛、発熱、腫脹、機能障害」といわれます。(国家試験の勉強で覚えたものです。)

わかりやすい例をあげると、段差を踏み外して足首をひねったら足首が腫れて赤くなって熱を持って痛い。普通に歩くこともできない…といった状況です。

こういうときに効くのが、消炎鎮痛剤です。消炎鎮痛剤は①急性の強い痛みを起こす物質を増やさないようにすると同時に、②血管を収縮させる働きを強くするものです。

繰り返しますが、①「痛みを抑える」と同時に②「血管を収縮させ血液の流れを阻害」しているわけです。

血液は本来、栄養や酸素を供給して治癒を促進するものです。②とは矛盾してますね。

このことは、鎮痛を優先して治癒を遅らせていると言えます。

すなわち急性の強い痛みであれば、治癒の促進より痛みの緩和を優先させるために湿布を使うことは効果的と言えます。

しかし湿布は、すべての痛みを軽くするという思い込みで「慢性的な症状」に湿布を貼り続けることは「血液の流れを阻害し続ける」ことになり、そのことでかえって治癒の妨げになってしまいます。

血液による栄養補給が必要な所に、長期にわたって血液を届けない状態にしてしまうわけですから。

そんな状況におちいらないためにも、消炎鎮痛剤を使うのは、炎症が強い発症の初期(1か月程度まで)にしておきましょう。もちろん症状や個人差があります。2,3日で痛みが軽くなったら1か月も貼る必要もないでしょう。

急性期はアイシングがオススメ

ただ、強い炎症の初期であれば、湿布よりもアイシングの方が効果的だと思います。私だったら、湿布は使いません。氷嚢や保冷剤を利用して冷やし続けます。

あたくしごとですが、ここ2年で、2度ほどアイシングをすることがありました。2回とも足の指を強打し激痛と内出血、腫れが起きたからです。

一度は整形外科でレントゲンを撮ってもらいましたが骨は折れていないとのことなので、湿布も痛み止めも断って、自分でひたすら冷やし続けました。

急性症状には湿布よりもアイシングの方が冷却効果が高いので、時間があるときにアイシングをこまめにします。熱感や腫れもおさまって強い痛みがなくなったら、湿布は血流を妨げるので使わず保温をこころがけます。

こういった形で急性症状をやり過ごすと、湿布を使う機会はなくなりますね。

もちろん、「耐えられない慢性的な痛みがあるから何とかしたい」という人に対して貼るなと強制はしません。でも、効果を全く感じていないようでしたら湿布を使うのをやめてみてはいかがでしょうか?

あおきば治療院|多摩センターの鍼灸マッサージ

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